●パワハラ 職場環境は理由ならず 消防士の免職有効に 最高裁【令和4年9月13日、最高裁判決】2022.10.06 【労働新聞 ニュース】

パワーハラスメントを理由とする分限免職の有効性が争点となった裁判で、最高裁判所第三小法廷(林道晴裁判長)は処分を違法とした二審判決を取り消し、免職を有効と判断した。裁判は山口県長門市で消防士として働いていた労働者が処分を不服としたもので、二審の広島高等裁判所は消防組織という独特な職場環境や、パワハラ研修を受けさせていない点を考慮し、免職は重過ぎるとしていた。最高裁は、パワハラは5年を超えて繰り返され、職員全体の半数近くが被害に遭うなど、職場環境の悪化は公務の能率の観点からも見過ごせないと指摘。分限免職を適法と判示した。…

ポイント!

最高裁によるパワハラを巡る判決は今年度に入り2度目です。何れも勤続20年以上の消防士が加害者で自身の受けた処分が重すぎると裁判を起こしたものですが、最高裁は市の懲戒処分は適法であると判断しています。
使用者のパワハラ防止措置義務、職場環境配慮義務が強く要請されることから、加害者に対する厳しい懲戒処分も有効とされる傾向は今後強まるものと考えられます。

https://www.rodo.co.jp/news/133504/