インフォメーション

 中央労働委員会と都道府県労働委員会は、10月を「個別労働紛争処理制度」周知月間として、全国で集中的な知・広報活動を展開している。全国30道県の労働委員会で無料の労働相談会を開催するほか、各労働委員会おいて、パネル展、出前講座、セミナーなどの様々な取組を展開する。
 中央労働委員会では、あっせんの流れをわかりやすくまとめたマンガやYouTube動画を中央労働委員会HPに新規掲載するなど、労働委員会における職場のトラブル解決についてPRする。
https://www.mhlw.go.jp/churoi/houdou/kobetsu/r080928-1.html

ポイント!
10月のイベントはほぼ済んでしまいましたが、改めて「労働委員会による個別労働紛争のあっせん」とはどのようなものか調べていたところ地元滋賀県労働委員会の頁で分かり易く解説したものがありましたので、ご紹介します。
個別的労使紛争のあっせん|滋賀県

 厚生労働省はこのほど、2025年版「働く女性の実情」を公表した。女性の労働力人口は前年度から43万人増加し、労働力人口に占める割合は同0.3ポイント上昇の45.7%。就業者数は同44万人増加し、就業率は同0.9ポイント上昇の55.1%となった。男女間の賃金差異は同0.8ポイント改善し76.6%となった。賃金差の発生要因としては、役職の違いや勤続年数の違い等を挙げた(概要1~3頁)。
 また、2025年は男女雇用機会均等法の成立から40年に当たることから、成立当時との対比も実施。女性雇用者数は1,331万人増、雇用者に占める女性割合は10.6ポイント増、女性管理職比率も係長級以上で15.9ポイント上昇、日本の特徴とされてきた年齢階層別労働力率の「M字カーブ」が消えつつあるなど、働く女性を取り巻く状況が
変化していることを明らかにしている(概要5頁)。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/josei-jitsujo/25.html

ポイント!
上記を読んで一番驚いたのは、本文124頁の「女性が職業をもつことに対する意識」調査が令和に入っても続けて実施されていること、さらに女性は職業を持たない方がよいと回答する方が一定割合あったことです。一方夕食メーカーの下記のアンケート結果には共感しましたが…
https://www.showa-sangyo.co.jp/LinkClick.aspx?fileticket=vAOjINhdSqw%3d&tabid=128&mid=1149

 JILPTは9月18日、「労働者の働き方の現状と意識の変化に関する調査(企業調査・労働者調査)」結果を記者発表した。
 正社員を対象とした調査では、リスキリングを「これまでにしたことがある、またはしたいと思った」人は46.2%、リスキリングを実行した、または実行したいと思ったときに、会社が必要なスキルを明示していた割合は54.5%。同調査では「スキルの『見える化』とリスキリング」のほか、「生成AIの活用状況」と「転職・離職」についても取り上げている。
https://www.jil.go.jp/press/documents/20260918.pdf

ポイント!
上記とは別に7月末に公表された厚労省「令和7年度能力開発基本調査」からは、企業のリスキリング支援を労働者が様々な事情でそれほど利用出来ていない実態も見えます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00233.html

 公立病院眼科医への贈賄罪で元社長らが略式命令を受けた米医療機器メーカーの日本法人(東京都港区)が、機密情報を持ち出したとして、元社員の50代男性に約4,700万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が3日、東京高裁であった。谷口園恵裁判長は、公益通報に当たるとして請求を退けた一審東京地裁判決を支持し、原告側の控訴を棄却した。
 判決などによると、男性は2021年に機密情報を社外に持ち出し、解雇された。元社長らは23年、大阪府警に書類送検され、略式命令を受けた。谷口裁判長は一審に続き、「持ち出しは捜査機関への情報提供が目的だった」と認定。公益通報の要件を満たし、「違法性が阻却される」と述べた。判決後に都内で記者会見した男性は「重大な不正を目の前にした人が声を上げても大丈夫だと思える社会になってほしい」と訴えた。公益通報を巡っては、通報を理由に解雇するなどした法人や個人に刑事罰を科す改正公益通報者保護法が12月に施行される。

<朝日新聞9/3>
https://www.asahi.com/articles/ASV933C5ZV93UTIL003M.html?msockid=1af67b64624661e226046d196354604d

ポイント!
公益通報者保護法は、通報で生じた損害について通報者を訴えることを禁じていますが、今年12月に施行される通報者保護を強化した改正法でも、情報持ち出しを理由とした解雇などの不利益な取り扱いや損害賠償請求は禁止していないとのことです。情報持ち出しと通報の線引きが分かりにくく判断は難しいように感じます。
https://www.gov-online.go.jp/article/202402/entry-5717.html

 厚生労働省は、令和7年の年金制度改正に基づく社会保険適用拡大に関する情報を発信するため、「社会保険適用拡大サイト」をリニューアルした。事業主や人事労務担当者向けに、適用拡大の具体的なスケジュールや、対象となる企業かどうかの確認方法、適用拡大までの準備の進め方、支援制度を紹介したガイドブックなどを掲載している。
 従業員向けには、社保加入のメリットをまとめたチラシのほか、Q&A集を用意している。
https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/jugyouin/taisho/

ポイント!
以前の記事ですが、短時間労働者(週20時間以上)が社会保険の加入対象となる企業の範囲が段階的に拡大する時期について、50人以下の企業への適用がいよいよ目前に迫ってきたことを改めてお知らせしたいと思います。
具体的には来年10月から従業員数(厚生年金保険の加入者)が36人~50人の企業、その2年後の10月からは21~35人の企業・・と順次適用企業の範囲が広がることになります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00021.html

厚生労働省は、令和7年度の「過労死等の労災補償状況」を取りまとめた。精神障害に関する労災補償の請求件数、支給決定件数がいずれも増加し、過去最多となっている。請求件数は4958件で、前年度比1178件増と大幅に上昇した。支給決定件数は1082件と前年度から26件増加し、未遂を含む自殺件数は76件だった。精神障害に関する出来事として最も多かったのは「上司などからのパワーハラスメント」で、次いで「顧客や取引先、施設利用者などからの著しい迷惑行為」と「セクシュアルハラスメント」が多くなっている。
 過労死に関する労災補償全体の請求件数は6212件となり、前年度から1402件増加した。支給決定件数は5件増の1310件で、そのうち死亡・自殺(未遂を含む)は145件となっている。
https://www.rodo.co.jp/news/223497/

ポイント!
上記の「顧客や取引先、施設利用者などからの著しい迷惑行為」とはカスタマーハラスメントを指しており、防止措置を講ずることが今年10月1日より全事業主の義務となります。 
 従来のハラスメント防止措置に加えて、対応の実効性を確保するために必要な措置として「特に悪質と考えられるカスタマーハラスメントへの対処の方針をあらかじめ定め、労働者に周知し、当該対処を行うことができる体制を整備する」が求められていることにご注意ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662584.pdf

扶養手当を廃止して子ども手当等に組み換える給与規程の変更は、パート・有期雇用労働法の趣旨に沿ったもので有効とした一審の控訴審。広島高裁は、扶養手当は支給する趣旨が不明確で、職員の多数を占める女性の就労促進や若年層を確保する観点から賃金原資の配分を合理的なものに改める必要性を認めた。
https://www.rodo.co.jp/precedent/221729/

ポイント!
労働新聞で上記解説を担当された弁護士の野口大氏が最近別テーマの研修会で講師として登壇された際に聴講する機会がありました。その研修会でも、同一労働同一賃金への取組として正社員への不利益変更を行った場合の裁判所の判断枠組みなどについて解説されていました。賃金制度の不利益変更の合理性に加えて、会社として従業員の理解を求めるプロセスを丁寧に進めていくことが必要であるとのお話しが印象に残りました。
▽参考:同一労働同一賃金新ガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001696752.pdf

政府は7月21日、経済財政諮問会議と日本成長戦略会議を開催し、「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太方針2026)」と「日本成長戦略」を決定した。17の戦略分野に関する「官民投資ロードマップ」や、8つの分野横断的課題に対する対応方針等を示す。賃上げ環境整備については、2029年度までの間で、日本経済全体で、持続的・安定的な物価上昇の下で、物価上昇を年1%程度上回る賃金上昇を賃上げのノルム(社会通念)として定着させる(骨太方針11頁、成長戦略63頁)、最低賃金については、2030年代前半できる限り早期に全国平均1,500円を達成するとしている(骨太方針11頁、成長戦略66頁)。また、柔軟で多様な働き方を実現するため、労働時間法制等に係る政策対応について夏以降の労働政策審議会において議論を行うとしている(骨太方針15頁、成長戦略58頁)。
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2026/0721agenda.html
▽骨太方針2026
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2026/0721_shiryo07.pdf
▽日本成長戦略
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2026/0721_shiryo01.pdf

ポイント!
7月25日の日本経済新聞の経済論壇からでは「70歳就業社会を見据えて」との小見出しで
JILPTの浜(濱)口桂一郎氏の主張を紹介しています。“日本成長戦略”のテーマとしては挙がっていませんが、浜(濱)口氏は2014年著書「日本の雇用と中高年」などで以前から日本型雇用システム(年功賃金制)がもたらす弊害とその是正の必要性を述べています。

マイナビは5月26日、20~59歳の正社員を対象に実施した「六月病」に関する調査結果を発表した。「六月病」とは、新年度の業務や環境に一定程度慣れた後、6月前後に仕事や私生活のモチベーション低下や疲労感などを自覚する状態を指す。「五月病」とは異なり、連休がないことや特有の気候変化なども影響している可能性があるとされる。調査では、正社員の5人に1人が「六月病」を経験し、20歳代が27.6%で最多。「六月病」のきっかけとしては、「新年度の環境に慣れる過程で生じる変化」や「賞与や評価に対する不満」などが挙がった。
https://www.mynavi.jp/news/2026/05/post_53437.html

ポイント!
「六月病」という言葉は初耳でした。とは言え上記調査の“図7”にある通り、企業の4割超が他の月と比べて従業員からのメンタル不調に関する相談が増えると感じておられることから何かしらの対応策が必要となりそうです。
具体的な相談内容から推測すると、やはり年齢が若い方や社歴が浅い方へのフォローを重点的に行うことで改善できる余地があるように感じました。

福利厚生業務の代行サービスを提供するベネフィット・ワンは6月11日、ビジネスパーソンを対象とした福利厚生に関する意識・実態調査結果を発表した。福利厚生を「日々の暮らしを支えるための知識・対策」と認識している人が88.0%にのぼった一方、実際に活用できている人は16.1%にとどまった。活用層では月平均5,513円(年間約6.6万円相当)の支出抑制効果が見られており、制度を適切に活用する「福利厚生リテラシー」が必要とした。
https://corp.benefit-one.co.jp/company/news/pressrelease/2026/20260611/20260611.pdf

ポイント!
4月から労働新聞で連載が始まったコラム「人材難時代の福利厚生」を毎回興味深く読んでいます。筆者の西久保先生は「採用」と「定着」の両面から幅広く解説されています。
それに対して上記調査結果は、物価高騰下の現在における福利厚生の活用に絞ったまさにイマドキ従業員の期待や不満、世代間の相違がなるほどなぁと伝わってくるものです。
【参考】労働新聞「人材難時代の福利厚生」
https://www.rodo.co.jp/series/series_tag/%E4%BA%BA%E6%9D%90%E9%9B%A3%E6%99%82%E4%BB%A3%E3%81%AE%E7%A6%8F%E5%88%A9%E5%8E%9A%E7%94%9F/