政府は5月16日、年金制度改革関連法案を閣議決定した。
主な改正内容は、(1)パートらへの適用拡大として、月8.8万円(年収106万円相当)の賃金要件撤廃(公布の日から3年以内)、現行51人以上の企業規模要件を2027年10月から段階的に引き下げ2035年10月に撤廃、労働者の保険料負担を50%以下とする時限特例と労使折半超の保険料を負担した事業主への助成金による支援、常時5人以上の個人事業所の非適用業種(宿泊、飲食サービス等)への適用、(2)在職老齢年金の支給停止基準額の62万円への引き上げ(2026年4月)、(3)標準報酬月額の上限(65万円)の段階的引き上げ(2029年9月に75万円)、(4)遺族厚生年金の支給対象に60歳未満の男性を追加し、男女格差の解消を図る、など。報酬比例部分のマクロ経済スライドによる給付調整については次期財政検証の翌年度(2030年度を予定)まで継続する。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00017.html
ポイント!
年金制度改革法が6月13日に成立しました。人手不足問題の緩和や年金財政の安定を図る狙いがあるとのことで段階的で長期に渡る改革が行われることになります。
影響の範囲が広いのは(1)短時間労働者への適用拡大「106万円の壁の撤廃」で、時期や措置の内容について正しく理解することが必要です。