著者アーカイブ: yamdada_sharoshi

厚生労働省労働政策審議会は12月26日、「女性活躍の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化について」(報告)を厚生労働大臣に建議した。女性活躍推進法の期限を10年間延長した上で、男女間賃金差異、女性管理職比率の公表を従業員101人以上の企業に義務化する。カスタマーハラスメントについては、「顧客、取引先、施設利用者その他の利害関係者が行うこと」、「社会通念上相当な範囲を超えた言動であること」、「労働者の就業環境が害されること」の3要素を満たすものと定義し、対策を事業主の雇用管理上の措置義務とした。就活等求職者へのセクハラ防止対策も事業主の措置義務とする。同省では、建議の内容を踏まえて法律案要綱を作成し、労政審に諮問する予定。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000073981_00016.html

ポイント!
厚労省は令和2年度以来3年ぶりに「職場のハラスメントに関する実態調査」を実施公表しました。ハラスメント施策ではその結果を踏まえて上記に繋がったものと考えられます。
ハラスメントの態様は様々ですが、令和5年度の実態調査において“顧客等からの著しい迷惑行為”に関する相談のみ過去3年間で件数が増加していることからも今後の重点課題であることは間違いありません。
https://www.mhlw.go.jp/content/11910000/001256086.pdf

日本生産性本部は12月16日、「労働生産性の国際比較2024」を発表した。
OECDデータに基づく2023年の日本の時間当たり労働生産性(就業1時間当たり付加価値)は56.8ドル(5,379円)で、OECD加盟38カ国中29位。前回順位(31位)は1970年以降最低だったが、低下に歯止めがかかった。経済成長率が上向いたことと、円ベースの物価上昇が名目値を押し上げた影響が大きいとしている。実質ベースでは22年から1.2%上昇、38カ国中9位、主要先進7カ国でみると米国(+3.1%)に次ぐ上昇率になっている。
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/summary2024.pdf

ポイント!
国際的には我が国の労働生産性は低く、労働生産性を上げることが喫緊の課題であるとどの本にも書かれています。
各企業や業種における生産性向上への取組み方は様々ですが、そもそも労働生産性とは何か、それを国際比較することによって何が見えてくるのか今更ではありますが調べてみました。
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/factor_report.pdf

厚生労働省は2日、9月公表の「2024年版 労働経済の分析」(労働経済白書)の解説動画を公開した。白書をより多くの人々に知ってもらうために作成。「3分で読み解く!2024年版労働経済白書」をはじめ、「日本はどれくらい人手不足なの?」「人手不足で給料は上がるの?」等、5つのトピックについて解説している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46083.html

▽2024年版労働経済の分析・動画版
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/24/24-3.html

ポイント!
動画はトータル14分の短いものですが、分かり易く白書と聞いただけで敬遠しがちな方にも気軽に見られる工夫がされているなと感じました。
分野ごとの人手不足対応策も調査結果に基づいてある程度具体策が挙げられており、介護、小売サービス分野以外の分析結果も知りたいと思います。
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/24/dl/24-2a.pdf

厚生労働省は11月25日、一定以上の賃金を得ている65歳以上の就労者の老齢厚生年金を支給停止する在職老齢年金制度について、支給停止基準額(支給停止が始まる賃金と年金の合計額の基準)の引上げなどの見直し案を社会保障審議会年金部会に提示した。具体的には制度自体の撤廃のほか、支給停止基準額を現在の50万円から71万円または62万円へ引き上げる案を示している。高年齢者が同制度を意識して就業時間を調整しているケースがあることから、見直しによって、就業抑制を招かない仕組みをめざす。…
https://www.rodo.co.jp/news/187396/

ポイント!
前記に引き続いて、人手不足関連の記事です。シニアの就労調整を招く同制度の撤廃あるいは基準額の引上げが検討されているとのことです。
シニアの就労に関連して最近よく目にするワード“ポストオフ”について、役職定年とどう違うのか気になりましたので調べてみました。
https://mynavi-ms.jp/magazine/detail/001223.html

厚生労働省は11月15日、社保審会年金部会を開催し、被用者保険の拡大と「年金の壁」への対応などを議論した。短時間労働者の被用者保険の適用範囲の見直しについては、企業規模要件(従業員50人超)を「撤廃すべき」とし、労働時間要件(週所定労働時間20時間以上)は「将来的に撤廃を目指すことも必要」として留保、学生除外の要件は「現状維持」とした。常時5人以上の従業員を使用する個人事業所の非適用業種については「解消」とし、5人未満の事業所は「今回は適用しない」との方向性を示した。(資料1・22頁)
▽資料1
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001332348.pdf

ポイント!
上記はいわゆる「103万円の壁」ではなく「106万円の壁」がテーマです。
何にしても支える側を増やすことは国として喫緊の課題であり、3号制度があることにより労働者が働き控えを選択する余地はますます縮小されることになります。
適用拡大にはそれ以外にも大きな論点がいくつかあり、中でも「複数事業所勤務者に対する被用者保険の適用」は技術的にも複雑で事業所や医療保険者の事務負担が大きいなど見直しは難しそうです。

厚生労働省と公正取引委員会は、フリーランス法の規定ごとに、法施行前の状況調査の結果を公表している。取引条件の明示については、明示しなかったことがあるとの回答は、委託者17.4%、フリーランス44.6%で、いずれも建設業がトップ。多くは口約束、文字で証拠を残すことを嫌がる傾向があるなどのフリーランスの声も紹介している。フリーランス側の回答で、法施行後に問題となりうる行為の割合が高かったのは、買いたたき67.1%、価格転嫁62.5%、不当な経済上の利益の提供要請41.8%など。また、妊娠・出産・育児・介護との両立については、フリーランスの70.7%が仕事の依頼者に求めたい配慮があると回答している。
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2024/oct/241018_freelance2.pdf

ポイント!
11月1日からフリーランス新法が施行されました。厚労省と公取が規定ごとに対応するということで、分かり難いなあと感じる方も多いと思います。
フリーランス(業務委託契約)の方で契約や取引に疑問がある場合、まず自分が労働者にあたる働き方になっていないかどうかを労働基準監督署で確かめてみるところから始めるのも一つの方法かと思います。
https://www.rodo.co.jp/news/186342/

従業員のリスキリング(学び直し)を実施した企業に支払われる国の「人材開発支援助成金」について、不適切な支給が検査対象の3割に上ったことが9日、会計検査院の調べで分かった。企業がリスキリングを訓練機関に外注した際、一部費用が実質的にキックバックされ、支給要件の「全額負担」とは認められない事例があった。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE088GF0Y4A001C2000000/

ポイント!
政府が6月に閣議決定した骨太方針にも「賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現」のための重点項目の一つとして「全世代対象のリスキリングの強化」を挙げており、リスキリング市場の拡大が進み上記助成金の支給額も前年比3割増しとなっていたようです。
ちなみに不正受給が判明した場合の取扱いについては下記の通りです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/index_00061.html

政府の規制改革推進会議「働き方・人への投資ワーキング・グループ」は9月25日、会議を開催した。議題は「時間単位の年次有給休暇制度の見直しについて」。厚生労働省、全国社会保険労務士連合会、民間企業(佐川急便)より資料が提出された。厚労省の資料は、制度概要や対応状況、研究会の検討状況などを紹介。
全国社労士連合会と民間企業からは、時間単位取得制度に関して、育児・介護等と仕事の両立や年5日の年次有給休暇の確実な取得との関係から、現行の上限日数(5日)の拡大を求める意見が示された。
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/2409_03human/240925/human01_agenda.html

ポイント!
厚労省のアンケート調査を見ていて、時間単位年休を「導入している」事業場が全体の4割弱の中でさらに制度があっても利用しない労働者が4割を超える現状で労働者に向けて時間単位年休取得の上限拡大についての是非を問うてみても結論出ないだろうなあと感じました。
とは言え、時間単位年休の取得(制度導入)によるメリットデメリットがある程度明確になってきているようなので、検討した後は現行の制度を変えるべきか否かある程度の結論は出して貰いたいと考えます。

米インターネット通販最大手アマゾン・ドット・コムは16日、世界の全社員に原則として週5日の出社を義務付けると発表した。在宅勤務より、社員同士が対面で会うことが学びの機会やアイデアの創出に有効だと判断した。2025年1月から適用する。(シリコンバレー時事 2024年9月17日)
https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/kiji/20240920a.html?mm=1996

▽CEOから従業員宛の書簡/米アマゾン法人サイト
https://www.aboutamazon.com/news/company-news/ceo-andy-jassy-latest-update-on-amazon-return-to-office-manager-team-ratio

ポイント!
9月22日付け日経新聞にも「米企業に『出社強制』の波」と題して大きく取り上げられています。
記事の中で気になったのは、在宅勤務やリモートワークが生産性の低下や従業員のモラル低下に繋がっているとのデータや出来事が具体的に示されていたことです。
これらについては今後国内でも議論される可能性が出てくると思われます。

厚生労働省は、派遣労働者の賃金について、労使協定方式による場合に比較対象とする同種業務の一般労働者の平均的賃金額を公表している。派遣労働者の賃金は、賃金構造基本統計調査の職種別平均賃金、職業安定業務統計の求人賃金に基づく基本給・賞与・手当等(いずれも時給換算額)と同等以上とする必要がある。
適用期間は、2025年4月から2026年3月まで。

▽全体版
https://www.mhlw.go.jp/content/001294217.pdf

ポイント!
上記は毎年8月下旬ごろ局長通達として公表されているものです。
今年の大きな変更点は「職業安定業務統計」の職種区分の変更で、大分類の項目数が
11→15に増えました。
実務的には業務ごとの各基準値がほぼ全て前年より40円前後上昇している影響の方が大きいと思われます。年明けの労使協定締結に向けて、あらかじめ派遣元様と派遣先様の間で協議や調整の時間を取っておかれるようお勧めします。
https://www.mhlw.go.jp/content/001213425.pdf