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厚生労働省は2日、9月公表の「2024年版 労働経済の分析」(労働経済白書)の解説動画を公開した。白書をより多くの人々に知ってもらうために作成。「3分で読み解く!2024年版労働経済白書」をはじめ、「日本はどれくらい人手不足なの?」「人手不足で給料は上がるの?」等、5つのトピックについて解説している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46083.html

▽2024年版労働経済の分析・動画版
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/24/24-3.html

ポイント!
動画はトータル14分の短いものですが、分かり易く白書と聞いただけで敬遠しがちな方にも気軽に見られる工夫がされているなと感じました。
分野ごとの人手不足対応策も調査結果に基づいてある程度具体策が挙げられており、介護、小売サービス分野以外の分析結果も知りたいと思います。
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/24/dl/24-2a.pdf

厚生労働省は11月25日、一定以上の賃金を得ている65歳以上の就労者の老齢厚生年金を支給停止する在職老齢年金制度について、支給停止基準額(支給停止が始まる賃金と年金の合計額の基準)の引上げなどの見直し案を社会保障審議会年金部会に提示した。具体的には制度自体の撤廃のほか、支給停止基準額を現在の50万円から71万円または62万円へ引き上げる案を示している。高年齢者が同制度を意識して就業時間を調整しているケースがあることから、見直しによって、就業抑制を招かない仕組みをめざす。…
https://www.rodo.co.jp/news/187396/

ポイント!
前記に引き続いて、人手不足関連の記事です。シニアの就労調整を招く同制度の撤廃あるいは基準額の引上げが検討されているとのことです。
シニアの就労に関連して最近よく目にするワード“ポストオフ”について、役職定年とどう違うのか気になりましたので調べてみました。
https://mynavi-ms.jp/magazine/detail/001223.html

厚生労働省は11月15日、社保審会年金部会を開催し、被用者保険の拡大と「年金の壁」への対応などを議論した。短時間労働者の被用者保険の適用範囲の見直しについては、企業規模要件(従業員50人超)を「撤廃すべき」とし、労働時間要件(週所定労働時間20時間以上)は「将来的に撤廃を目指すことも必要」として留保、学生除外の要件は「現状維持」とした。常時5人以上の従業員を使用する個人事業所の非適用業種については「解消」とし、5人未満の事業所は「今回は適用しない」との方向性を示した。(資料1・22頁)
▽資料1
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001332348.pdf

ポイント!
上記はいわゆる「103万円の壁」ではなく「106万円の壁」がテーマです。
何にしても支える側を増やすことは国として喫緊の課題であり、3号制度があることにより労働者が働き控えを選択する余地はますます縮小されることになります。
適用拡大にはそれ以外にも大きな論点がいくつかあり、中でも「複数事業所勤務者に対する被用者保険の適用」は技術的にも複雑で事業所や医療保険者の事務負担が大きいなど見直しは難しそうです。

厚生労働省と公正取引委員会は、フリーランス法の規定ごとに、法施行前の状況調査の結果を公表している。取引条件の明示については、明示しなかったことがあるとの回答は、委託者17.4%、フリーランス44.6%で、いずれも建設業がトップ。多くは口約束、文字で証拠を残すことを嫌がる傾向があるなどのフリーランスの声も紹介している。フリーランス側の回答で、法施行後に問題となりうる行為の割合が高かったのは、買いたたき67.1%、価格転嫁62.5%、不当な経済上の利益の提供要請41.8%など。また、妊娠・出産・育児・介護との両立については、フリーランスの70.7%が仕事の依頼者に求めたい配慮があると回答している。
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2024/oct/241018_freelance2.pdf

ポイント!
11月1日からフリーランス新法が施行されました。厚労省と公取が規定ごとに対応するということで、分かり難いなあと感じる方も多いと思います。
フリーランス(業務委託契約)の方で契約や取引に疑問がある場合、まず自分が労働者にあたる働き方になっていないかどうかを労働基準監督署で確かめてみるところから始めるのも一つの方法かと思います。
https://www.rodo.co.jp/news/186342/

従業員のリスキリング(学び直し)を実施した企業に支払われる国の「人材開発支援助成金」について、不適切な支給が検査対象の3割に上ったことが9日、会計検査院の調べで分かった。企業がリスキリングを訓練機関に外注した際、一部費用が実質的にキックバックされ、支給要件の「全額負担」とは認められない事例があった。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE088GF0Y4A001C2000000/

ポイント!
政府が6月に閣議決定した骨太方針にも「賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現」のための重点項目の一つとして「全世代対象のリスキリングの強化」を挙げており、リスキリング市場の拡大が進み上記助成金の支給額も前年比3割増しとなっていたようです。
ちなみに不正受給が判明した場合の取扱いについては下記の通りです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/index_00061.html

政府の規制改革推進会議「働き方・人への投資ワーキング・グループ」は9月25日、会議を開催した。議題は「時間単位の年次有給休暇制度の見直しについて」。厚生労働省、全国社会保険労務士連合会、民間企業(佐川急便)より資料が提出された。厚労省の資料は、制度概要や対応状況、研究会の検討状況などを紹介。
全国社労士連合会と民間企業からは、時間単位取得制度に関して、育児・介護等と仕事の両立や年5日の年次有給休暇の確実な取得との関係から、現行の上限日数(5日)の拡大を求める意見が示された。
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/2409_03human/240925/human01_agenda.html

ポイント!
厚労省のアンケート調査を見ていて、時間単位年休を「導入している」事業場が全体の4割弱の中でさらに制度があっても利用しない労働者が4割を超える現状で労働者に向けて時間単位年休取得の上限拡大についての是非を問うてみても結論出ないだろうなあと感じました。
とは言え、時間単位年休の取得(制度導入)によるメリットデメリットがある程度明確になってきているようなので、検討した後は現行の制度を変えるべきか否かある程度の結論は出して貰いたいと考えます。

米インターネット通販最大手アマゾン・ドット・コムは16日、世界の全社員に原則として週5日の出社を義務付けると発表した。在宅勤務より、社員同士が対面で会うことが学びの機会やアイデアの創出に有効だと判断した。2025年1月から適用する。(シリコンバレー時事 2024年9月17日)
https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/kiji/20240920a.html?mm=1996

▽CEOから従業員宛の書簡/米アマゾン法人サイト
https://www.aboutamazon.com/news/company-news/ceo-andy-jassy-latest-update-on-amazon-return-to-office-manager-team-ratio

ポイント!
9月22日付け日経新聞にも「米企業に『出社強制』の波」と題して大きく取り上げられています。
記事の中で気になったのは、在宅勤務やリモートワークが生産性の低下や従業員のモラル低下に繋がっているとのデータや出来事が具体的に示されていたことです。
これらについては今後国内でも議論される可能性が出てくると思われます。

厚生労働省は、派遣労働者の賃金について、労使協定方式による場合に比較対象とする同種業務の一般労働者の平均的賃金額を公表している。派遣労働者の賃金は、賃金構造基本統計調査の職種別平均賃金、職業安定業務統計の求人賃金に基づく基本給・賞与・手当等(いずれも時給換算額)と同等以上とする必要がある。
適用期間は、2025年4月から2026年3月まで。

▽全体版
https://www.mhlw.go.jp/content/001294217.pdf

ポイント!
上記は毎年8月下旬ごろ局長通達として公表されているものです。
今年の大きな変更点は「職業安定業務統計」の職種区分の変更で、大分類の項目数が
11→15に増えました。
実務的には業務ごとの各基準値がほぼ全て前年より40円前後上昇している影響の方が大きいと思われます。年明けの労使協定締結に向けて、あらかじめ派遣元様と派遣先様の間で協議や調整の時間を取っておかれるようお勧めします。
https://www.mhlw.go.jp/content/001213425.pdf

厚生労働省は7月30日に開催した社会保障審議会年金部会で、20代から50代で配偶者と死別した者を対象とする遺族厚生年金について、養育する子供がいない場合は、男女とも5年の有期給付とすることを提起した。
現行制度では、主たる生計維持者を夫とする考え方により、30歳以上の妻については終身給付であるのに対して、夫は55歳以上でないと受給できない。こうした男女差を、女性の就業の進展や共働き世帯の増加等の変化を踏まえて見直す。現行制度を前提に生活設計している者に配慮する等の観点から、見直しは、相当程度の時間をかけて段階的に進めるとしている。
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001281516.pdf

ポイント!
見直し案は大筋で了承されたことから来年の通常国会で制度改正の関連法案が提出される予定とのこと。
すでに遺族厚生年金を受け取っている人や、18歳未満の子がいる人、60歳以上で配偶者と死別した人は現行の制度のままの給付内容となります。
将来的には、遺族基礎年金が支給されない(されなくなった)40歳以上65歳未満の妻が現在受け取っている中高齢寡婦加算も段階的に廃止されるようです。

(公財)介護労働安定センターは7月10日、2023年度「介護労働実態調査」結果を発表した。事業所の従業員不足感は「大いに」「やや」不足も合わせ、64.7%で依然として不足感が強い。特に、訪問介護は「不足」が(大いに、やや含め)約8割。採用率は、訪問介護員、介護職員をあわせ16.9%で2年連続で前年度比増、離職率は13.1%で同減。
離職率が低下傾向にある事業所では理由として「職場の人間関係改善」が最多の63.6%。続いて、「残業削減、有給休暇所得促進、シフト見直し等を進めた」45.6%、「職場で介護の質を高めるための意識共有」37.8%など。調査は、介護分野の人材確保・育成などのため、介護事業所と労働者を対象に実施。
https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/2023_jittai_chousagaiyou.pdf

ポイント!
人手不足が深刻な介護業界において(公財)介護労働安定センター発信の「介護労働実態調査」結果は興味深く、他の業界でも参考になる知見が多いのではないかと感じました。
事業所側の従業員の採用・定着促進の取組みと労働者側の満足度やニーズが上手くリンクしているところが多く、この調査が長年続けられ発信されている理由の一つなのかなと思います。
https://www.kaigo-center.or.jp/report/jittai/