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人事院は2月28日、内閣人事局と合同で実施した、兼業に関する職員アンケートの結果を公表した。現行制度で兼業をしたことがある職員は6.2%。現行制度で認められないものも含め、今後、兼業を行いたい職員は32.9%で、年齢別では30代以下で比較的多い。兼業をしたい理由(複数回答)の上位は「新しい知見やスキル・人脈を得たい」「自分の趣味や特技を活かしたい」など。調査は、全国の国家公務員(一般職)を対象に実施、1,936人が回答した。併せて、兼業に関する民間企業等ヒアリング結果も公表、対象の大手企業19社のうち兼業を認めるのは15社で、兼業によるリスクを防ぐための要件が設定されている、などとしている。
https://www.jinji.go.jp/kouho_houdo/kisya/2502/kengyou-kekka.html

ポイント!
国家公務員向けのアンケートで、やってみたい兼業の類型の「自分の趣味、特技等を活かした活動」「社会貢献につながる活動」の具体的な内容や活動として例えば通訳、楽曲制作、地域スポーツ大会の運営などが挙げられており、なぜかほのぼのとした思いがしました。
https://www.jinji.go.jp/content/000004413.pdf

厚生労働省は2月26日、「経済社会情勢の変化に対応したキャリアコンサルティングの実現に関する研究会」を開催した。政府は三位一体の労働市場改革の一つに「リ・スキリングによる能力向上支援」を打ち出しており、DXの進展等の経済社会情勢の変化を踏まえ、研究会では(1)経済社会情勢の状況変化に対応したキャリアコンサルティングに必要な能力、(2)キャリアコンサルタントがその能力を得るための制度その他の施策、(3)キャリアコンサルティングの活用活性化のための施策、を中心に検討する。2025年夏頃に基本的方向性について中間とりまとめ、年末に具体的な対応等について最終的とりまとめを行う予定。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_52813.html

ポイント!
上記(1)のキャリアコンサルティングに必要な能力の例として
・労働市場情報等のデータを支援に効果的に活用する能力
・変化の激しい時代において労働者個人がキャリア的に自立することを支援する能力
・リスキリングを含めた労働者のキャリア形成の在り方を企業に提案する能力
が挙げられています。これらから見えてくるのは、これからのキャリアコンサルタントには学卒時、転職時あるいは就労中といった労働者の個々の場面・ニーズに応じたより専門的で高度な能力が求められるということのようです。

政府は、令和9年に施行される改正入管法および育成就労法を巡り、特定技能・育成就労両制度の運用に関する方針と関係省令の作成に向けた2つの会議体を設置し、それぞれ第1回会合を開いた。運用の方針に関して意見を聴取する「有識者会議」では、基本方針案を提示。受入れ分野については、真に人手不足の分野に限定し、分野別方針で定めることなどを盛り込んだ。育成就労の転籍制限期間は各分野で決定するとした。今年3月中に基本方針、年内に分野別方針を決定する。関係省令は厚生労働省が事務局を務める「有識者懇談会」で議論し、今年夏ごろの公布をめざす。
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001301676.pdf

ポイント!
外国人労働者は、現在230万3912人(2024年10月末現在:厚労省調査)で前年比25万3912人増加しています。在留資格別の内訳は「専門的・技術的分野の在留資格」71万8812人、「身分に基づく在留資格」62万9117人に続いて「技能実習」47万725人で、これも前年比5万8224人増となっており、多くの外国人に影響を及ぼす制度改革となりそうです。
https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001397715.pdf

連合は1月23日、「スポットワークに関する調査2025」を発表した。短時間・単発で雇用されるスポットワークで働く(働いたことがある)15歳以上・1,000名へのインターネット調査。仕事上のトラブルを経験した人は約半数近い46.8%で、その内容(複数回答)は「仕事内容が求人情報と違った」(19.2%)、「業務に関し十分な指示や教育がなかった」(17.7%)など。
応募する際、雇用、業務委託など契約形態を確認「する(した)」は60.6%、「しない(しなかった)」は39.4%。就業先からの説明について、業務内容の説明をどこでも「受けたことがない」は24.5%、労働条件に関する説明をどこでも「受けたことがない」は26.5%。
現行の法制度の規定で労働者を守れるか検証し、ルールを整備していくことや、企業や労働者へのワークルールの普及・充実が必要、としている。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20250123.pdf

ポイント!
同日パーソル総合研究所からもスポットワークに関する定量調査結果の発表がありました。こちらはスポットワーカーをマネジメントする側の店長・管理者への調査も行っており、今後は人材の多様化とマネジメントの複雑化を見据えた現場マネジメント力の強化や工夫が必要であると述べています。
https://rc.persol-group.co.jp/news/202501231000.html

厚生労働省労働政策審議会は12月26日、「女性活躍の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化について」(報告)を厚生労働大臣に建議した。女性活躍推進法の期限を10年間延長した上で、男女間賃金差異、女性管理職比率の公表を従業員101人以上の企業に義務化する。カスタマーハラスメントについては、「顧客、取引先、施設利用者その他の利害関係者が行うこと」、「社会通念上相当な範囲を超えた言動であること」、「労働者の就業環境が害されること」の3要素を満たすものと定義し、対策を事業主の雇用管理上の措置義務とした。就活等求職者へのセクハラ防止対策も事業主の措置義務とする。同省では、建議の内容を踏まえて法律案要綱を作成し、労政審に諮問する予定。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000073981_00016.html

ポイント!
厚労省は令和2年度以来3年ぶりに「職場のハラスメントに関する実態調査」を実施公表しました。ハラスメント施策ではその結果を踏まえて上記に繋がったものと考えられます。
ハラスメントの態様は様々ですが、令和5年度の実態調査において“顧客等からの著しい迷惑行為”に関する相談のみ過去3年間で件数が増加していることからも今後の重点課題であることは間違いありません。
https://www.mhlw.go.jp/content/11910000/001256086.pdf

日本生産性本部は12月16日、「労働生産性の国際比較2024」を発表した。
OECDデータに基づく2023年の日本の時間当たり労働生産性(就業1時間当たり付加価値)は56.8ドル(5,379円)で、OECD加盟38カ国中29位。前回順位(31位)は1970年以降最低だったが、低下に歯止めがかかった。経済成長率が上向いたことと、円ベースの物価上昇が名目値を押し上げた影響が大きいとしている。実質ベースでは22年から1.2%上昇、38カ国中9位、主要先進7カ国でみると米国(+3.1%)に次ぐ上昇率になっている。
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/summary2024.pdf

ポイント!
国際的には我が国の労働生産性は低く、労働生産性を上げることが喫緊の課題であるとどの本にも書かれています。
各企業や業種における生産性向上への取組み方は様々ですが、そもそも労働生産性とは何か、それを国際比較することによって何が見えてくるのか今更ではありますが調べてみました。
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/factor_report.pdf

厚生労働省は2日、9月公表の「2024年版 労働経済の分析」(労働経済白書)の解説動画を公開した。白書をより多くの人々に知ってもらうために作成。「3分で読み解く!2024年版労働経済白書」をはじめ、「日本はどれくらい人手不足なの?」「人手不足で給料は上がるの?」等、5つのトピックについて解説している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46083.html

▽2024年版労働経済の分析・動画版
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/24/24-3.html

ポイント!
動画はトータル14分の短いものですが、分かり易く白書と聞いただけで敬遠しがちな方にも気軽に見られる工夫がされているなと感じました。
分野ごとの人手不足対応策も調査結果に基づいてある程度具体策が挙げられており、介護、小売サービス分野以外の分析結果も知りたいと思います。
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/24/dl/24-2a.pdf

厚生労働省は11月25日、一定以上の賃金を得ている65歳以上の就労者の老齢厚生年金を支給停止する在職老齢年金制度について、支給停止基準額(支給停止が始まる賃金と年金の合計額の基準)の引上げなどの見直し案を社会保障審議会年金部会に提示した。具体的には制度自体の撤廃のほか、支給停止基準額を現在の50万円から71万円または62万円へ引き上げる案を示している。高年齢者が同制度を意識して就業時間を調整しているケースがあることから、見直しによって、就業抑制を招かない仕組みをめざす。…
https://www.rodo.co.jp/news/187396/

ポイント!
前記に引き続いて、人手不足関連の記事です。シニアの就労調整を招く同制度の撤廃あるいは基準額の引上げが検討されているとのことです。
シニアの就労に関連して最近よく目にするワード“ポストオフ”について、役職定年とどう違うのか気になりましたので調べてみました。
https://mynavi-ms.jp/magazine/detail/001223.html

厚生労働省は11月15日、社保審会年金部会を開催し、被用者保険の拡大と「年金の壁」への対応などを議論した。短時間労働者の被用者保険の適用範囲の見直しについては、企業規模要件(従業員50人超)を「撤廃すべき」とし、労働時間要件(週所定労働時間20時間以上)は「将来的に撤廃を目指すことも必要」として留保、学生除外の要件は「現状維持」とした。常時5人以上の従業員を使用する個人事業所の非適用業種については「解消」とし、5人未満の事業所は「今回は適用しない」との方向性を示した。(資料1・22頁)
▽資料1
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001332348.pdf

ポイント!
上記はいわゆる「103万円の壁」ではなく「106万円の壁」がテーマです。
何にしても支える側を増やすことは国として喫緊の課題であり、3号制度があることにより労働者が働き控えを選択する余地はますます縮小されることになります。
適用拡大にはそれ以外にも大きな論点がいくつかあり、中でも「複数事業所勤務者に対する被用者保険の適用」は技術的にも複雑で事業所や医療保険者の事務負担が大きいなど見直しは難しそうです。

厚生労働省と公正取引委員会は、フリーランス法の規定ごとに、法施行前の状況調査の結果を公表している。取引条件の明示については、明示しなかったことがあるとの回答は、委託者17.4%、フリーランス44.6%で、いずれも建設業がトップ。多くは口約束、文字で証拠を残すことを嫌がる傾向があるなどのフリーランスの声も紹介している。フリーランス側の回答で、法施行後に問題となりうる行為の割合が高かったのは、買いたたき67.1%、価格転嫁62.5%、不当な経済上の利益の提供要請41.8%など。また、妊娠・出産・育児・介護との両立については、フリーランスの70.7%が仕事の依頼者に求めたい配慮があると回答している。
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2024/oct/241018_freelance2.pdf

ポイント!
11月1日からフリーランス新法が施行されました。厚労省と公取が規定ごとに対応するということで、分かり難いなあと感じる方も多いと思います。
フリーランス(業務委託契約)の方で契約や取引に疑問がある場合、まず自分が労働者にあたる働き方になっていないかどうかを労働基準監督署で確かめてみるところから始めるのも一つの方法かと思います。
https://www.rodo.co.jp/news/186342/