●『離職過程における労働者の心理―認知的タスク分析を応用したインタビュー調査―』/労働政策研究報告書No.229

失業中の労働者への一貫した支援を提供するための理論的枠組みを構築し、求職活動支援の研修プログラムに活用できる就職支援技法の開発のため、失業から再就職への移行における心理的過程を雇用関係の観点から分析しました。失業中の労働者にインタビュー調査を行い、失業に至る(離職課程)には需要消滅型と供給意欲消滅型の2つのパターンがありそれぞれ4つのタイプがあること、両方の事例において、労働者は自身の供給意欲よりも事業主からの労働サービスの需要が離職に及ぼす影響をより強く重視している傾向が見られること、などがわかりました。

https://www.jil.go.jp/institute/reports/2024/0229.html?mm=1951

ポイント!

調査結果の考察のなかで、労働サービスの需要に対応できない“労働者の無力感”“無力感の背景”といったワードが何度か出てきました。無力感からの脱却には小さな成功体験の積み重ねも重要ですが、失業者の再就職支援には失業者の心理的過程の理解が不可欠です。
タイトルの「認知的タスク分析」が耳慣れない言葉だったので下記調査も見てみました。

https://www.jil.go.jp/column/bn/column203.html