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中小企業庁は、2018年半中小企業白書を公表した。採用難で従業員を増やせない中小企業にとって、従業員の多能工化・兼任化が人手不足への有効な対策になるとともに、労働生産性の向上にもつながると指摘した。
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H30/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap3_web.pdf

ポイント!
白書では多能工化などを行う際の留意点として、事前に「業務プロセスの見直し」を行い、自社の業務における課題などを確認・社内共有したうえで取り組みをすすめるのが重要としています。
「業務マニュアルの作成・整備」と併せて「従業員のスキルの見える化」に取り組む企業では労働生産性の向上に結びついているケースが多く人手不足の有効な対策になっているとのことです。

厚生労働省は7日、「雇用保険業務等における社会保障・税番号制度の対応に係るQ&A」を更新した。
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/20180507QA_2.pdf

ポイント!
雇用保険法施行規則の改正に伴い、雇用保険手続きの際のマイナンバーの届出が平成30年5月より必要となりました。
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/20180420hoken_2.pdf
①資格取得届②資格喪失届③高年齢雇用継続給付申請④育児休業給付支給申請⑤介護休業給付支給申請等の手続きにマイナンバーの記載が求められ、ない場合は基本的にハローワークから書類が返戻されます。今回のQ&Aは5月7日版なので、実際に稼働し出した後にはたちまち内容が充実(?)してくるものと思われます。

経済産業省は9日、「将来の介護需給に対する高齢者ケアシステムに関する
研究会」の報告書を公表した。将来見込まれる介護人材不足の解消・軽減に向け、
(1)介護予防の観点からの社会参加の促進、(2)介護分野における人材確保力の
強化(「介護サポーター」の導入促進)について、具体的な方策案を提言。
http://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180409004/20180409004-1.pdf
http://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180409004/20180409004-2.pdf

ポイント!
日本経済新聞4月17日号によると介護施設の約7割が16時間以上勤務する2交代制の夜勤シフトを取り入れており、人手不足の深刻化に伴い2交代制は増加傾向との事です。
この「介護サポーター」導入は、上手くいけば介護予防の推進と高齢者の就労促進に繋がる一石二鳥の夢のようなプランですが、対象が「キャリアアップを望まない高齢者や主婦」云々の記載は参加される方に失礼だなと感じました。

 

厚生労働省は3月30日、「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」
(座長:佐藤博樹・中央大学大学院戦略経営研究科教授)報告書を公表した。
これまでも、「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」(2011年度)
の提言の周知等により企業の自主的な取り組みを促してきたが、より実効性の高い
取り組みを進めるための規定創設や施策の実施を提起している。
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11910000-Koyoukankyoukintoukyoku-Koyoukikaikintouka/0000201236.pdf

ポイント!
労働新聞4月9日号でも取り上げられていましたが、パワハラなどによる「職場のいじめ・嫌がらせ」の相談件数は年々増加の一途をたどり全ての相談のトップとなっています(H28年度都道府県労働局:70,917件で全体の相談件数の22.8%)。
しかしながら、既に防止措置が義務化されているいわゆるセクハラやマタハラ以上にパワーハラスメントは防止対象とする行為の範囲設定や事実関係の認定の難しさがあるようで、まずはガイドラインで提示後時間をかけて法制化を目指す という流れが今のところ有力だそうです。

 共働きの生活を充実させるには夫が妻と家事や育児を分担することが家事を握る。子育てと仕事の両立に奮闘する夫たちが悩みや、だいごみを本音で語った。
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO27605100S8A300C1TY5000?channel=DF130120166018

ポイント!
 日本経済新聞のWomen & Work の頁は、いつも女性経営者や女性労働者に関する話題が載っているのですが、今回は男性4人の覆面座談会形式で興味深いものでした。
「日本の若いお父さんも変わったなあ」と驚く反面、「職場で大変だろうけど頑張って!」と応援したい気持ちです。少し気になったのは、有給休暇を消化したいのに会社の都合で無給の育児休業に変更したくだりです。実際、有給休暇をほとんど使わない(使えない)男性は多いです。
 男性の育児休業取得云々の前に有給休暇の消化が出来る職場を、いやその前に長時間労働の無い職場作りが必要で・・となるとまだ先は長いようですね。

 リクルートキャリアの研究機関・就職みらい研究所は15日、「就職白書2018―
採用活動・就職活動編―」を発表した。2019年卒採用の実施方法・形態は、
「職種別採用」が63.6%で最多、次いで「通年採用」26.3%、「コース別採用」26.0%など。
新卒採用活動におけるAI(人工知能)を導入している企業は0.4%。
https://www.recruitcareer.co.jp/news/20180215_01.pdf

ポイント!
リクルートの調査データですが、企業において採用に係るマンパワーやコストの増加が大きな課題となっていることから採用活動にAI(人口知能)の導入を検討する動きが大企業に出始めているとのまとめがありました。
服部泰宏著「採用学」新潮選書では、日本の採用が「ルーティン業務」になってしまうことへの警鐘と「採用プロフェッショナル」育成の重要性を説いています。もし企業で採用活動にAIを導入される場合は、目的をコスト削減にとどめることなく自社の採用のプロフェッショナル(人)を育成する為の投資として取り組む必要があると思います。

 物流網が危機的状況に陥る中で、今春の異動期は希望のタイミングで引っ越しできない多数の「難民」が発生する恐れが強まっている。引っ越し会社は企業に3~4月の繁忙期から転勤時期をずらすよう要請を始めた。雇用逼迫の時代、春に集中する人事異動など企業の重要イベントを分散させ、日本全体の生産性向上につなげる好機かもしれない。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26797770R10C18A2SHA000/

ポイント!
 日経日曜版の1面は刺激的なフレーズが踊っていました! ヤマト運輸などの宅配業者が労働条件の見直しに踏み切り、好待遇を求めて引っ越し業のドライバーさんがそちらへ移籍したことに端を発しているとの事です。人手不足の深刻化は運輸業界のみにとどまりません。社会全体で繁閑のギャップの平準化や休暇の分散取得を進めるなど、従来のやり方からの脱却を迫られています。これを前向きな視点で提言する姿勢には好感が持てます。

 日本商工会議所は2月1日、全国の中小企業を対象に、働き方改革関連施策に関する
中小企業の取り組みの現状や課題、要望等を把握するために行った「働き方改革関連
施策に関する調査結果」を発表した。時間外労働の上限規制が導入された場合の影響
について、2割(20.5%)の企業で「新たな上限規制に抵触する労働者がいる」と回答。
また、同一労働同一賃金制度については、3割強(36.0%)の企業が「対象となりそうな非正規社員がいる」と回答した。
http://www.jcci.or.jp/Waytowork.pdf

ポイント!
全国の中小企業2,881社を対象にした訪問調査を今年の1月にまとめられた新鮮で貴重なデータです。中でも5頁以降「同一労働同一賃金制度導入にあたっての課題」や11頁以降「女性活躍推進における課題」についての回答結果を読んでいると、これらは中小企業の働き方を云々するだけではとても解決には至らず、もっと根本的な改革が必要になるものと改めて感じました。

 厚生労働省は26日に開催された「第1回賃金等請求権の消滅時効の在り方に
関する検討会」資料をHPで公表した。第193回国会において成立した、民法の一部を
改正する法律によって、消滅時効の期間の統一化や短期消滅時効の廃止等が行われた。
本検討会においては、労働基準法第115条における賃金等請求権の消滅時効の在り方について、法技術的・実務的な論点整理を行うこととしている。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000189822.pdf

ポイント
現行労基法の規定では賃金・災害補償その他の請求権は2年、退職手当の請求権は5年となっています。これについて、労使を交えて時間をかけ見直し検討することになったのですが、さらに年次有給休暇の請求権が2年で消滅することについても検討される見込みです。(労働新聞1/15)会社及び事務担当者にとっては大きな問題となる可能性がありますので今後とも注意深く見守る必要があります。

 男女の職域分離と家庭における育児・介護役割の現状を分析、性別役割の
維持・変容を促す要因を明らかにし、女性活躍および両立支援に関わる政策の
課題を提示しています。
http://www.jil.go.jp/institute/reports/2017/0192.html

ポイント
主な事実発見の中で、「転勤(事業所を移る異動)は女性のキャリアにマイナスの影響を及ぼしている(図表1)。」「シフト勤務や日曜の勤務など、非典型な勤務時間がある男性は育児参加度が低く、妻のフルタイム就業割合も低い。」の指摘は女性の働き方と男性の働き方の見直しの、どちらが欠けても効果が薄くなることを示しているものと感じました。