●「過去最高の女性就業率:その裏を読む」 主任研究員 周 燕飛/JILPT研究

女性の就業率は空前の高さである。総務省「労働力調査」によると、2018年は15~64歳女性の就業率が69.6%に達し、その2年前(2016年)から米国やフランス(ともに67%)を上回った。景気回復が始まった2012年からの6年間で9ポイントも上がり、世界的にみてもとても早いペースの上昇である。30代を中心に出産や育児によって働く人が減る「M字カーブ現象」が解消されつつあるようにも見える。

https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/memorable/1500th/03.html?mm=1516

ポイント!
上記レポート(および関連研究)では女性就業率が上がったことを手放しで喜べない現状を「貧困専業主婦」というキーワードを使って解説しています。今も日本社会に深く根付く「夫は外で働き、妻は家庭を守る」男女役割分業慣行にも拘らず、男性(夫)の収入が減少して大半の専業主婦世帯では中流の暮らしを維持できないから人手不足の波に乗って主婦が生活費補てん目的で低技能・低賃金の非正規労働に就いている構図となっていること。不況期には低技能の主婦の非正規労働者が真っ先にレイオフされる対象となる為、レイオフ後はこれらの世帯が中流階級の生活を維持することは難しくなり再び2011年頃のように貧困専業主婦世帯が増えるであろうと予測しています。
気になったので早速、周 燕飛氏の「貧困専業主婦」をAmazonで申し込みました。