●性同一性障害 トイレ使用制限は違法 経産省職員が逆転勝訴 労働新聞2023.07.11

 経済産業省で働く性同一性障害の職員が、女性用トイレの使用制限を不服として訴えた裁判で、最高裁判所第三小法廷(今崎幸彦裁判長)は使用制限を違法と判断した。二審の東京高等裁判所は、経産省には他の職員が持つ性的な不安も考慮する必要があったとして、使用制限を適法としていた。 職員は生物学的な性別は男性で、性同一性障害の診断を受けている。経産省と人事院は、執務室のある階とその上下階の女性トイレの使用を認めず、2階以上離れた女性トイレの使用を認める決定をしていた。
 最高裁は、経産省が同僚らを対象に開いた説明会で、明確に異論を唱えた者はおらず、現に2階以上離れた階の女性トイレを使用していてトラブルになったことはないと指摘。使用を制限する理由はなく、裁量権の逸脱・濫用に当たるとした。
▼判決文はこちら
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/191/092191_hanrei.pdf

ポイント!

一審は違法、二審では適法とされたものを、最高裁は人事院の判定を裁量権の逸脱・濫用にあたるとし違法と評価しました。その根拠として女性トイレの使用に関しての人事院の判断を本人が被る不利益より同僚職員への配慮を過度に重視し公平性妥当性を欠いているとしています。
判決の補足意見にも述べられているように、今後は社会全体で議論され、コンセンサスが形成されることが必要であることは言うまでもありません。